ワンタンは「ぴらぴら」でいい
ラーメンは大好物であるが、ワンタンメンというのも捨てがたい。ラーメンには必ず「シナチク」と「なると」が入っていてほしいのであるが、次の候補としては「ワンタン」がむしょうに食べたくなるときがある。だったら、ワンタンスープみたいなものでも結構なのであるが、基本はラーメンと一緒に食べるワンタンメンということになる。ラーメンの感触とはまた一味違った、あのぴらぴらしたワンタンが、スープを十分に含んで口に運ばれる。思わず顔がほころぶ瞬間でもある。
気を付けなければいけないのは、ぴらぴらがくちびるに張り付いて火傷しそうになることがある。ラーメンはずるずるすすってもいいが、ワンタンはひとつひとつレンゲに乗せて慎重に食べなければならない。この辺のリズムの変化がまた非常に楽しい。
ラーメンを食べに行くときの3回に一回はワンタンメンにしている。先日も久しぶりにワンタンメンを注文した。まず、スープを口にする。これは醤油味に限る。できたら、鳥ガラと魚介系のスープなら文句はなにもない。次にシナチク2本とラーメンを一緒につまみ、ずるずるっといく。これも完璧である。そうして待ちに待ったワンタンをレンゲに乗せ、口に入れる。
なんだ? ちっともぴらぴらしていない。たっぷりと丸々と具が詰まっていて餃子を食べているような感触だ。そういえば、「当店ではたっぷりと具の詰まったワンタンを使用しています。」なんて張り紙があった。なんとよけいなことを。ワンタンは具なんか、ぷちっと入っていればそれでいいのに。あの皮がぴらぴらしているのを楽しみにしていたのに。
このごろラーメンが高級になり過ぎて戸惑うことが多い。私はいつでも純朴なラーメンやワンタンメンが食べたい。