心理的負荷による精神障害の労災認定基準について

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厚生労働省では、心理的負荷による精神障害の労災認定基準を新たに定め、各都道府県労働局長宛に通達を出しました。

審査の迅速化や効率化を図ることが目的かと思われます。 

通達(平成23年12月26日 基発1226第1号)はこちらをご覧ください。

 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001z3zj-att/2r9852000001z43h.pdf

 

本通達では、心理的負荷による精神障害の業務起因性を判断する要件の一つとして、発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められることが挙げられています。

さらに心理的負荷の強度においても「強」「中」「弱」と判断される事例も具体的に示されました。

認定基準がより明確になったことにより、人事労務の観点から注意すべき点がクローズアップされています。たとえば長時間労働における心理的負荷は次の通りとなります。

  
【業務による心理的負荷評価表より長時間労働のみ抜粋】  

 評価区分 時間外労働時間の目安 心理的負荷の強度
極度の長時間労働 月160時間程度
長時間労働

発病直前の連続した2か月間に、1月あたり約120時間以上

発病直前の連続した3か月間に、1月あたり約100時間以上

1か月に80時間以上
1か月に80時間未満
他出来事+恒常的な長時間労働 心理的負荷の強度「中」の出来事後に、月100時間程度 等
連続勤務

1か月以上にわたる連続勤務

2週間(12日)以上にわたる深夜時間帯の連続勤務

2週間(12日)以上にわたる連続勤務

業務上疾病か否かの認定は、業務以外の心理的負荷および個体側要因の有無や程度が総合的に判断されるものですが、心理的な負荷となる時間外労働時間の目安が示されたことによって、発病と業務との因果関係が明確になりました。

メンタル疾患に限らず、脳・心臓疾患等でも時間外労働時間の基準が示されていることから、会社にとっては長時間労働の把握と削減になお一層取り組んでいただく必要に迫られています。
この他にも業務上において心理的負荷となる具体例やその程度が示されたことで、会社が負うべき責任範囲が明確になりました。
今後さらに時間管理やメンタルヘルス対策を含めて、リスクマネジメントの点から労務管理の重要性が増していると言えるのではないでしょうか。

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