今夏の電力需給対策を受けた事務所の室内温度等の取扱いについて
厚生労働省は、「電力需給に関する検討会合・エネルギー・環境会議合同会議」にて取りまとめられた「今夏の電力需給対策について」の「節電メニュー」のうち、事務所の室温、照明および空調に関する内容と、労働安全衛生法に付随する事務所衛生基準規則の規定との関係などについて通達(基発0606第1号 平成24年6月6日)を出しました。
事務所衛生基準規則 | 節電メニューとの関係 | |
1)事務所の室内温度 |
事務所に空気調和設備をを設けている場合は、室温が28℃以下になるよう努めなければならない。 |
電力抑制のため室温を引き上げる場合には、28℃とするよう努める。 自主的な取り組みとして29℃に引き上げる場合は、熱中症予防対策を実施すること |
2)事務所の照度 |
【作業区分毎の基準】 ①精密作業:300ルクス以上 ②普通作業:150ルクス以上 ③粗作業:70ルクス以上 |
労働者の心身の負担を軽減するため、事務作業を行う際の照度を電力抑制で暗くする場合であっても、作業の区分に関わらず作業面の照度を300ルクス以上とすることが望ましい VDT(Visual Display Terminals)作業を行うものは「ガイドライン」も留意すること |
3)事務所の換気 | 二酸化炭素の含有率:0.1%以下 | 過度な換気による電力消費、冷房効率低下の抑制を促すため、空気調和設備または機械換気設備の外気と還気の混合率を調整する場合でも、二酸化炭素の含有率を0.1%以下に適合させること |
一般的なオフィスビルにおける電力消費の約88%は、空調、照明、OA機器(PC、コピー機等)といわれています。
これらの分野における節電対策は効果が高いわけですが、節電を意識するあまり、室内温度を上げることで熱中症患者の発生リスクが増えるなど職場環境を悪化させてしまう可能性もあります。
そもそも職場環境管理については、労働安全衛生法に付随する「事務所衛生基準規則」において細かい基準値等が定められていますので、これらにも注意をしながら節電の取り組みを実施していきましょう。