改正労働者派遣法が成立しました(平成24年3月28日)

「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部を改正する法律案」が3月28日に成立しました。施行日は、一部を除き公布日から6ヶ月以内の政令で定める日とされております。

 

主な改正点は、次のとおりです。

1)「派遣切り」の多発や雇用の安定性に欠ける派遣形態の横行を抑制、防止するための事業規制の強化

 ①日雇派遣の原則禁止

  専門26業種や雇用機会の確保が特に困難と認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要と認められる場合等を除き、日雇労働者についての労働者派遣が禁止されます。

 ②同一グループ企業内に労働者を派遣できる割合を8割以内に制限し、離職した労働者を離職後1年以内に派遣労働者として受け入れることの禁止「専ら派遣」の禁止はこれまでも規定されていましたが、法改正によりグループ企業内における労働者派遣は一層強化されることになります。また、グループ企業内における派遣労働者の雇用の安定化の一環として、離職した労働者の離職後1年以内の派遣労働者としての受け入れをしてはなりません。

 

2)派遣労働者の不透明な待遇決定や低い待遇の固定化を改善するための派遣労働者の無期雇用化や待遇に関する措置

 ①同種業務に従事する派遣先労働者との均衡を考慮した待遇確保

  派遣元事業主は、派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準や派遣労働者の職務内容、能力、経験等を勘案し、当該派遣労働者の賃金を決定し、教育訓練や福利厚生等の実施に配慮しなければなりません。

 ②労働者派遣契約の解除に当たって講ずべき措置の立法化 

 これまでは、労働者派遣契約期間満了前の契約の解除に当たって講ずべき措置は、派遣元・派遣先事業主の各々が講ずべき指針において定められていましたが、改正後は、労働者派遣法において、明文化されました。

 

3)偽装請負等の違法派遣に対する迅速・的確な対処(労働契約申込みみなし制度の創設)

  派遣先事業主が、労働者派遣に関して違法な派遣行為(派遣禁止業務への派遣・二重派遣・派遣受入期間に抵触する派遣・偽装派遣)であることを認識しながら、派遣労働者を受け入れている場合は、派遣先事業主が派遣労働者に対して労働契約を申し込んだものとみなす「労働契約申込みみなし制度」が創設されました。また、違法な派遣行為が終了した日から1年を経過する日までの間は、この労働契約申込みを撤回することはできません。

 

 詳細は、以下の厚生労働省のHPを参照ください。

 http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/dl/roudou_haken0329.pdf

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