働き方改革を推進するための法律案要綱について
平成29年9月8日、厚生労働省より労働政策審議会に諮問された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」について各分科会・部会で審議された結果、同日、審議会から厚生労働相へ答申が行われました。
労働条件分科会において意見が付されたものの概ね妥当との答申内容になります。
これを受け、厚生労働省は法律案を作成し、次期国会提出への準備を進めていくことになります。
【法律案要綱の主なポイント】
1.長時間労働の是正、多様な働き方の実現等
(1)労働時間に関する制度見直し(労基法) □36協定上限:月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定*自動車運転業務、建設事業、医師等について、猶予期間を設けたうえで規制を適用等の例外あり。研究開発業務について、医師の面接指導、代替休暇の付与等の健康確保措置を設けた上で、時間外労働の上限規制は適用しない。
□月60時間を超える時間外労働に係る割増率(50%以上)について、中小企業への猶予措置を廃止する。 □10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならない。 □企画業務型裁量労働制:対象業務追加(課題解決型開発提案業務、裁量的にPDCAを回す業務) □高度プロフェッショナル制度の創設 |
(2)勤務間インターバル制度の普及促進(労働時間等設定改善法) □事業主は、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めなければならない。 |
(3)産業医・産業保健機能の強化(労働安全衛生法等) □事業主から産業医に対しその業務を適切に行うために必要な情報を提供することとする。 |
2 雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保
(1)不合理な待遇差を解消するための規定の整備(パート労働法、労働契約法、労働者派遣法) □短時間、有期雇用労働者に関する正規雇用労働者との不合理な待遇禁止に関し、個々の待遇ごとに、当該待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべき旨を明確化。□派遣労働者について、(ª)派遣先の労働者との均等・均衡待遇、(b)一定の要件を満たす労使協定による待遇のいずれかを確保することを義務化。またこれらの事項に関するガイドラインの根拠規定を整備 |
(2)待遇に関する説明義務(パート労働法、労働契約法、労働者派遣法) □短時間労働者、有期雇用労働者、派遣労働者について、正規雇用労働者との待遇差の内容、理由等に関する説明を義務化 |
詳細は、厚労省HP「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」の答申をご覧ください。